「
ナチュラルワインとは?
」
決まった定義はないものの、
オーガニックやビオディナミという自然な農法をベースにして、
醸造において、野生酵母の使用、化学的添加物の不使用、亜硫酸を出来るだけ使用しない
といった共通の認識のもと作り出されたワインです。
オーガニックワイン=ナチュラルワイン?
一般的に混同されてしまうのですが、
オーガニッックワイン(ビオワイン)とナチュラルワインはやはり違います。
まず、
ワインには大きく分けて自然派と、そうでないワインがあります。
本来農作物であるワインは全てが自然から出来ているはずなのに、大量消費と品質の均一化、
そして大規模なマーケティングの中でいつのまにか別モノのケミカルなワインが出来上がってしまいました。
そしていつしか、そういったワインのカウンターカルチャーとして自然派ワインが出てきました。
そんな自然派ワインですがアプローチとしてはやはり自然な農法です。
オーガニック、ビオディナミ、自然農法、サスティナブルなど様々な農法があります。
これら、農法で作られたワインを自然派ワインと呼んでいます。
しかし、それら農法で作られたワインが全てが本物の自然派というわけではございません。
オーガニックで作られた葡萄も醸造方法によってはそうでないケミカルなワインになってしまいます。
さらにマーケティングの一環での謳い文句だけのサスティナブルやオーガニックのワインも数多くあります。
そんな中、毎日畑仕事をして、手で葡萄を摘み、自然のリズムを大切にし、
野生の酵母の力で、媚びない本物のワインを作り続けているワイン生産者がいます。
私どものはこの本物のワインをナチュラルワインと呼んでいます。
酒美土場のナチュラルワイン
今、「ナチュラルワイン 」と呼ばれるときそれは様々な意味合いを内包していると思います。
これらは、全て魅力的なことであり、素晴らしいことだと思います。
しかしナチュラルワインを本当に理解しようとするとき、こういった相対的な事象より
認識として原点回帰的な理解も必要なのではないでしょうか。
鈴木大拙によれば、日本では江戸時代まで「自然」と書けば「じねん」と読み、
「本来そうであること」「おのずからそうなること」を指しました。
それが明治時代に英語の「nature」が入ってきた際、
この「自然」を「しぜん」と読ませてしまったとき、
それまでの東洋の仏教的な「あるがまま」という自然観は抜け落ちてしまい、
二元論的な自然へと変化してしまったのです。
わたしどもはこの「あるがまま」の「じねん」をナチュラルワインの根底にあるものではないかと考えます。
その「あるがまま」のワインづくりには、
化学肥料や農薬、化学的添加物は必要ありません。
土地の景色、葡萄の味、作り出す人、その年の雨、土の中にいる虫たち、
それらの個性を「あるがまま」に表現したワインは自ずから然る美しさのワインになるのではないでしょうか。
酒美土場では、こんな考え方でナチュラルワインをセレクトしてお届けしております。
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